ゴーイングメリー号(ゴーイングメリーごう、通称:メリー号、GM号:Going Merry号)は、尾田栄一郎作の漫画『ONE PIECE』に登場する架空の海賊船である。
フジテレビの乗船企画用の客船としてお台場で就航したゴーイングメリー号(2003年7月撮影)
概要[]
麦わらの一味の最初の海賊船で、ルフィ達にとっては大切な仲間である。設計者はシロップ村のメリーで、20年前に設計図が作られた[1]。進水式ではカヤが酒の瓶を投げているが、この時、瓶は割れなかった(進水式で瓶が割れないのは船にとって不吉とされる)。
カーヴェル造りで中型のブリガンティンというジャンルに属し、メインマストと三角帆を持つ。大砲は4門装備。4LDK。操舵は舵輪ではなく、棒を進行方向に傾ける方法で行う。ジャヤでは、空島への航行の対策のため、翼と鶏冠を装着した「フライングモデル」に改装されている。
船体は何度もダメージを受けるたびにウソップが修理してきた。末期はツギハギだらけで満身創痍の状態となっていたが、大切に乗られたため、ウソップの前には船の精霊「クラバウターマン」が姿を現す。
危ない状況になると、ルフィ達同様目が取れたり、口が開いたりした(32巻は顕著である)。
週刊少年ジャンプ2010年03・04号に掲載された4コマ漫画では、麦わらの一味がクリスマスを祝うも、ウソップが「メリークリスマス」でゴーイングメリー号を思い出してしまい、結局しんみりとしたクリスマスになってしまうということがあった。
経歴[]
- シロップ村で、カヤと村をキャプテン・クロの魔手から救った礼として麦わらの一味に贈呈される。
- 海上レストラン「バラティエ」近くでは、ジョニーにデッキの一部を破損される。
- リヴァース・マウンテン突入の際、ホイップスタッフ(舵取り棒)が折れる。
- 双子岬では、ラブーンに激突しフィギュアヘッドが折れ、ルフィにメインマストを折られる。
- ウィスキーピークへの道中、大嵐の影響により船底に数ヶ所損傷を負う。
- ドラム王国(現サクラ王国)近くでは、ワポルに側面を食べられる。
- アラバスタ王国近海では、海軍本部大佐「黒檻のヒナ」率いる精鋭「黒檻部隊」の黒槍によって船底に多量の水漏れを余儀なくされる。
- ジャヤでは、べラミー海賊団の襲撃に遭い、前部を切り落とされる。その後、猿山連合軍の手によって「フライングモデル」に改装。
- スカイピアでは、シュラの鳥・フザに一部を燃やされ、メインマストから炎が移りそうになったため、やむを得ずチョッパーがメインマストを折る。
- 空島から青海への帰還時に、空島名物「タコバルーン」の空気漏れ?により、かなりの高度から海面に着水する。
- W7では、竜骨を大きく損傷していた為に航行不能を宣言される。最終的にルフィが廃棄を決断するがウソップと意見が対立し、ルフィに敗れたウソップに明け渡される。その後CP9のカクによって海へ廃棄される。
- 同じくW7では、ボロボロの状態で廃船島に漂着していた所を、アイスバーグの手により応急処置をされ、無人で海へ出航し、エニエス・ロビーから脱出しようとするルフィ達を救うために突如現れ、無事に逃げ切った後その役目を終えるかのように船体は真っ二つに割れる。
- 船長ルフィの決断によりW7への航路の途中で火を放たれ、麦わらの一味らが見届ける中、燃上しながら海底へと自沈し、永遠の眠りにつく。この時、感謝を告げたメリー号の最後の声は、周囲に居合わせた者全員に聞こえた。
- その後、後継船であるサウザンドサニー号に「ミニメリー2号」が搭載。
設備[]
- ラウンジ
- 戦闘指揮所、キッチン、操舵室を兼ねている場所。会議・雑談・食事は主にこの場所で行われる。
- キッチンはレンガ造り。冷蔵庫はあるものの、ルフィが食糧を盗み喰いしてしまう為、サンジは鍵付きの冷蔵庫をナミに希望していた。対ルフィ用に巨大な鼠捕りが設置されている。
- 男子部屋
- ルフィ・ゾロ・ウソップ・サンジ・チョッパーの部屋。メインマストの下に位置する。
- 元々使用人部屋として設計されたので、タンス・ソファ・テーブルはあるが、ベッドはない(ハンモックで寝起きする)等、女部屋に比べて基本的に質素である。
- 倉庫&砲列甲板
- 酒樽・水樽・食料・宝(ナミの宝の余り)が置かれる場所。ラウンジの下に位置する。
- 大砲は横に2門装備されている。
- 入口から直進すると、風呂場につきあたる。また風呂場の近くには、女部屋への入口(鍵つき)がある。
- 女子部屋
- ナミ・ロビン(一時、ビビ・カルーも同居)の部屋。ナミの良質の宝はここに置かれる。
- デスク・本棚・ベッド・ソファ・室外機を完備し、バー(ココヤシ村の大工のテルさん作)まであるなどゴージャスな部屋である(カヤの部屋として設計された部屋なので当然ではあるが)。ハンモックも一応装備。
- 男部屋とは緊急出入口で結ばれているが、普段は使われることはない。
- 砲列甲板&錨綱格納庫
- 軍事倉庫。船の先頭に位置する。
- 大砲は前方に主砲として滑腔砲が1門装備されており、副砲として移動式の大砲も2門置かれている。錨は人間には持てないほど重いものであり、16世紀頃からはキャプスタンで巻き上げるのだが、一味のメンバーはキャブスタンをほとんど使わず自力で碇を揚収する。武器の他、オール、浮き輪、ロープ等、航海の際の必需品も置かれている。
- ユニットバス
- 風呂とトイレで兼用(但し、男達はあまりトイレは使わない模様)。窓には覗き見防止のカーテンがある。シャワー、換気口を装備。便器は一応水洗。
- シャワー及び風呂のお湯は、「水くみあげマシーン(マッスィ~ン)」を利用して、船底から汲み上げた海水をろ過し、真水にしたものを火にかけて使用している(汲み上げるついでに発電も可能)。なお、「水くみあげマシーン」は甲板の階段の下に当初2個あったが、ルフィが壊した為に最終的には1個になっている。
- ルフィの特等席
- 船首を指す。羊の顔の形をしている。ルフィは何かとここに座っており、自分でも「おれの特等席」と言っている。泳げないルフィがここに固執する理由は作者曰く「まあ、うれしそうなので、いいんじゃないだろうか。」。
- ちなみに双子岬でラブーンに衝突した際に1度折れている(このとき、当然ながらルフィはラブーンに対して怒りを表した)。
- ナミの蜜柑畑
- ラウンジの上に位置する。ココヤシ村のベルメール宅のみかん畑から木を3本植樹した。みかんを狙う外敵(主にルフィ)から蜜柑を守るのはサンジの役目である。蜜柑はとても美味だが、たとえ餓死寸前でも、男達は蜜柑を食べない(作者曰く「何故ならそれは死を意味しているから」)。ちなみにその後このみかん畑の苗木はサウサンドサニー号に移植されている。
航路[]
シロップ村→海上レストランバラティエ→コノミ諸島→ローグタウン→リヴァース・マウンテン→ウィスキーピーク→リトルガーデン→ドラム島→サンディ島(アラバスタ王国)→ジャヤ→空島→ロングリング・ロングランド→ウォーターセブン→エニエス・ロビー
お台場冒険王[]
毎年フジテレビで行われる夏の大イベントお台場冒険王にて、ゴーイングメリー号が遊覧船を改造して実際に再現され、冒険王の目玉アトラクションとして人気を得た。船内ではスタンプラリーが行われており、すべてのスタンプを押すと商品がもらえるという仕組みである。2003年、2004年、2005年の3度運行されている。2006年からは、原作にてゴーイングメリー号が自沈してその生涯を終えたために出航していない。
改造元は東京都観光汽船の「遊」[1]。各イベント終了時には、元の船体に戻されている。
2003年[]
- 『ゴーイングメリー号どきどき!クルーズ』
- 初めて運行された2003年。船内には登場人物の等身大模型やパネルが飾ってあり、グッズショップも入っている。原作通り、船内設備もこと細かに再現されている。
2004年[]
- 『帰って来た!ゴーイングメリー号 ROUND THE グランドライン!』
- 今回から新しく、船内には飲食店「レストラン バラティエ」が入り、ナイトクルーズも楽しめるようになる。原作通り、空島から帰還したメリー号ということで、あちらこちらに船内に傷や修理の跡までも再現されている。船体前面からの大砲発射、「モーム出現」など様々なイベントが追加された。3度の中で一番高評価を得ている。
2005年[]
- 『ゴーイングメリー号・ワンピースミュージアム2005』
- 船内飲食店は「ヤガラ食堂」が入っている。原作ではウォーターセブン編となるため、前回よりもメリー号はかなり傷んでいる。前年まで行われていたイベントがほとんどなくなっているため、題名通りミュージアム感が強くなっている。
脚注[]
- ↑ 劇場版アニメ第10作「ONE PIECE FILM STRONG WORLD」の入場者プレゼント『ONE PIECE 巻零』第0話より。
外部リンク[]
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