『ONE PIECE THE MOVIE デッドエンドの冒険』(ワンピース ザ ムービー デッドエンドのぼうけん)は、2003年に公開された、漫画『ONE PIECE』を原作としたテレビアニメの劇場版第4作目。
概要[]
劇場版『ONE PIECE』4作目にして初の長編映画であり、麦わらの一味の7人目の仲間となったニコ・ロビンの映画初デビュー作でもある。監督はTVシリーズのシリーズディレクターを勤めていた宇田鋼之介。キャラクターデザイン・作画監督は小泉昇。
今作から東映アニメフェアの形式は終了し、『デジタルモンスター』シリーズとの同時上映も無くなったため、単作公開となった。こうなった経緯は『デジモン』側の事情であるが、2002年夏に予告編が解禁された時点で単独公開が既に決まっていた。
『ONE PIECE』初の単作公開のため、『ONE PIECE』という作品を初めて見る人にも、『ONE PIECE』がどういう作品なのかというのを分かってもらうために、『ONE PIECE』のテーマ「海賊」「ドラマ性」が強調されている作品である。
劇場版では初の、懸賞金の額が判明された海賊が登場した。それに対しルフィが「クロコダイルより上かー!」と発言していた事から、この内容の時期はアラバスタ編からジャヤの間のストーリーである事が分かる。
製作当初は映画冒頭にこの作品のタイトルでもある大秘宝「ワンピース」について解説するシーンを入れる予定があったが、尺の都合でカットされた。
芸能人の特別出演も試みられており、本作では女優の酒井美紀が参加したが、彼女の出演を強調した宣伝は本作ではあまり行われなかった。
TVシリーズの音楽は担当しているのに『ONE PIECE』の映画シリーズには参加していなかった音楽家、浜口史郎が映画初参加。また、エンディングテーマにはBUMP OF CHICKENが起用され、次回作以降もレコード会社の枠にとらわれないアーティストを起用するようになった。
2003年1月24日、東京湾内の船上で行われた本作の製作発表会見の席にて、当時の週刊少年ジャンプ編集長高橋俊昌が突然倒れ、救急車で聖路加国際病院へ運ばれたがクモ膜下出血により急逝している。
本篇のDVD版は2003年7月21日発売。本作以降のDVD発売は「7月21日」に統一されている。「ワンピース」映画化10作を記念してBlu-ray Disc版が2009年12月11日発売。
2009年12月12日に公開された『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』の大ヒットを記念して、年末にかけて今作が全国のフジテレビ系列局で順次放送された。
ストーリー[]
麦わらの一味は、ハンナバルの港町に立ち寄っていた。食事をしていた時に、ナミは自分達と同じ海賊が店の主人と隠し話をしているのを見た。聞けば、海賊だけで行われる何でもありのレース『デッドエンド』が行われるという。賞金と冒険を求めて、一行は『デッドエンド』に参加する。
登場人物[]
- 麦わらの一味
- 魚人海賊団 ウィリー一味
オリジナルキャラクター[]
主要人物[]
- シュライヤ・バスクード(海賊処刑人)
- 声 - 宮本充
- 黒帽子を被った一匹狼の賞金稼ぎ。武器は持たないが、卓越した身体能力を誇る。劇中では拾ったスコップを武器代わりにしたり、敵の武器を使ったり、地形を生かした戦いをしている。
- 8年前、ガスパーデに街を襲われ家族や友人を殺されており、道連れ覚悟でガスパーデに復讐を誓い、賞金稼ぎとなって旅をしていた。
- ガスパーデと戦うも歯が立たず、ルフィに獲物を横取りされ復讐に失敗する。しかし後、死んだと思われた妹アデルと再会し、更生の為に麦わらの一味と別れを告げる。
- ビエラ
- 声 - 永井一郎
- ガスパーデの「サラマンダー号」のボイラーマンをしている老人。他の海賊団員からは「モグラ」と呼ばれる。
- ボイラー室で大人しく働いていたが、反逆のチャンスを伺っていた。麦わらの一味が攻め込んだ際、ボイラー室を爆破させ船を真っ二つにし、ゴール地点「パルティア」への本物の永久指針を奪い脱出した。
- アナグマ
- 声 - 酒井美紀
- ビエラの助手で、ビエラの事を『じっちゃん』と慕っている。
- 病で倒れたビエラの為に、海賊の首を捕って金に換えようとメリー号へ潜入するが、返り討ちに遭いそのまま麦わらの一味に身を置く。
- 当初はビエラを救うために命を懸けようとしたが、ルフィ達と過ごす内に徐々に信念を変え、前向きに生きるようになる。
- ルフィとガスパーデの激闘が終わった後、ナミから何着か服を貰い、ビエラ達と共に別れを告げた。本名は「アデル・バスクード」で、死んだと思われたシュライヤの妹。その外見と言動(一人称が「おれ」である)から、最初は少年に思われていた。
ガスパーデ海賊団[]
海賊旗は海軍マークに×がついたマーク。海賊船は蒸気船「サラマンダー号」。船首は火蜥蜴を象っている。
- ガスパーデ(将軍ガスパーデ)
- 声 - 石田太郎
- ガスパーデ海賊団船長。元本部海兵で、海軍の軍艦を乗っ取って海賊となり、「海軍最大の汚点」と呼ばれる。
- 身体を溶けた飴のように変化させる悪魔の実「アメアメの実」の能力者。冷酷非情だが、気に入った人間は誰問わず仲間に誘おうとする豪胆な性格。懸賞金9500万ベリー。
- 今回行われた「デッドエンドレース」では胴元と手を組み、ゴール地点の「パルティア」と偽った偽の永久指針を自身以外の海賊達に渡した為、麦わらの一味以外の海賊達は、海軍要塞ナバロンの砲台で海へ沈められた。
- その後、ルフィと対峙。自らの能力でルフィを苦しめたが、激戦の際にサンジから渡された小麦粉を体に振りかけられ、能力が無効化になった所をゴムゴムのバズーカによって吹き飛ばされ、サイクロンの中へと飛ばされて行った。
- 監督曰く「モデルは、本編内の海賊であるクリークとクロコダイルで、強さはその二人を足して3で割ったくらい」とのこと。
- ニードルス
- 声 - 小杉十郎太
- ガスパーデの側近。身体中に刺青をしている男。武器は両腕の鉄爪。
- 無口な性格で、ガスパーデの命令に無言で従っていたが、ガスパーデに仕える本当の理由は、彼の弱点を見つけ殺すことだった。
- ガスパーデに挑んだシュライヤと最初に戦い、追い詰めるが、彼の機転で武器を失い隙を突かれて海に叩き落された。
- 懸賞金5700万ベリー[1]。
巨人族の二人組[]
船は「ビッグ・ランナー号」[2]。
- ボビー、ポーゴ
- 声 - 郷里大輔、稲田徹
- 巨人族の漁師。ドリーとブロギーを彷彿とさせる、豪快な二人組。
- 川の急カーブに猛スピードで突っ込み、ジャンプで跳び越えようとしたが、距離が足りず墜落した。
- 演じた郷里と稲田も本編ではドリー達を演じていた。
ビガロ一味[]
正式な海賊団名は不明。海賊旗は辮髪をしたドクロマーク。海賊船はジャンク船「ろくろん・ドクロン号」[3]。船首は2つあり、髑髏を象っている。
- ビガロ(縛り首のビガロ)
- 声 - 服巻浩司
- 辮髪の海賊。レース中、麦わら海賊団の後方に居たため、彼等にビリだと言われた事に腹を立て、喧嘩を売る。
- 詳しい戦いは描かれていないが、ゾロとサンジの活躍によって団員もろとも倒されたと思われる。
- 懸賞金1490万ベリー[1]。
その他[]
- ドレイク
- 声 - 竹本英史
- ナバロン要塞の海軍本部少佐。
- 「アレクサンドラ号」[4]の艦長として航海中、ハンナバル近海で麦わらの一味を発見した。その後パルティアで待ち伏せて麦わらの一味の捕縛を試みたが、逃げられた模様。
- 詳細は海軍 (ONE PIECE)#海軍G-8支部(アニメオリジナル)を参照。
- 店主
- 声 - 青野武
- ハンナバルでルフィ達が立ち寄った店の店主。ルフィ達をデッドエンドレースに導いた。
- A・A・A[1]
- ハンナバルのルフィ達が立ち寄った店で、店主にデッドエンドレースへ導かれた海賊。
- 懸賞金220万ベリー[1]。
キャッチコピー[]
- メシより冒険。
- 生き残れるか!?大海賊が競う史上最悪のレース!!
- 大海賊が集うレース・デッドエンド 最新情報は入手次第伝達する。――海賊本部より
スタッフ[]
- 監督 - 宇田鋼之介
- 原作 - 尾田栄一郎
- 脚本 - 菅良幸
- キャラクターデザイン・作画監督 - 小泉昇
- 美術監督 - 吉池隆司
- 音楽 - 田中公平、浜口史郎
主題歌[]
- BUMP OF CHICKEN「sailing day」
脚注[]
外部リンク[]
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